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ひとり暮らしの防犯手帳 [映画]



“映画監督のピークは40代の10年間” というのが世の定説らしい。
その“豊穣の40代”に 一本の映画も撮らなかった周防(すお)正行
が、今春11年ぶりに発表した新作 「それでもボクはやってない」
世間の話題をさらったことは記憶に新しい。


 

映画は、これまで彼の得意としてきた ヒューマンコメディ路線 を捨て、
本格社会派ドラマ に果敢にチャレンジしたことでも話題を呼んだ。


 

 



そこで描かれる 「痴漢えん罪」 の不条理は、世界から民主的
先進国と認められているはずの日本にも、人権軽視の法制度
欠陥・・・・・・“法の暗黒時代” と言われた戦前の負の遺産が、
いまだに 厳然とあることを 我々の前に明らかにした。

 

       
     

ところで、映画について イラク系ドイツ人の友人がもらした言葉は
意外なものだった。
「真面目な映画だとは思うが・・・・・・今の日本で一番の社会問題
とは “電車のチカン” ですか?」





私は反論しようと思ったが、少し考えてやめた。 
彼に対し、この映画の製作意図を説明しようとする気持ちが、
自分の中で急速にしぼんでいくのを感じたからだ。

戦火の中で 親族 ・友人を 8人も殺された彼の心情は十分理解
できたし、“平和ボケ”の日本に生きる私には、それ以上抗弁する
資格などないような気がした。


 

 


確かに今の日本に、砲撃や爆撃などで殺される過酷な状況はない。
だから、この映画が “今年最大の話題作”などと聞けば、外国人が、
日本社会を悩ます最大の犯罪は “痴漢” なんだな」 と類推した
としても、それは無理からぬことだろう。
それを否定するには、我々の住む国は平和過ぎる。






ご承知の通り、日本は長く安定状態の中にある。
その必然として、旅行、グルメ、ファッション、ブランド品などの“快楽”
には気前良く大枚をはたくが、命を守るためのコストは限りなくゼロに
近いという “お寒い状況” が延々と続くこととなった。
彼は言う。
「日本における “電車のチカン”は 非常に安全だ。間違っても殺される
ことはない。イラクでは、道端でレイプされ 虫けらのように殺される」 と。



たしかに、日本は “安全な国” かも知れない。
しかし、決して “ユートピア(理想郷)” ではない。
この国でも 凶悪事件が起きない日などないのだ。


 




 


第一章    汝 殺されるなかれ

 

私は先月、これまで公判で見聞きした事実や、そこから得た
情報や知識を基に 学内講演を行った。
今回その一部を 文字で再現してみたい。       
(以下は、講演内容を 短く編集したものです)
 


 

今日は、誰にでもできる自衛についてのお話です。
凶悪犯罪が増加しているなか、防犯グッズの活用法を交えながら
「自分の命を守る方法」 について お話してみたいと思います。

題して 「犯罪から学ぶ防犯の心得」

。。。。人の死因は、大きく三つに分けられるといいます。
自然死(病死)、事故死、そして・・・・・・・人に殺される死 です。


 

戦争・戦災で亡くなった人も 当然そこに入りますが、戦争に無縁の
日本では、殺される人はすべて 何らかの犯罪の犠牲者と言えます。
そのため、高齢者、女性、子どもなど 弱者に被害が集中していると
いう点で 際立った特徴を持っています。




自殺願望のある人でも 「人に殺されるのはイヤだ」 というそうです。
まして、そうでない人なら絶対に避けたい結末・・・・・・・それが、突然
他者に殺されるという “承服できない不条理の結末” でしょう。
たとえ “変化に富んだ人生” を望む人でも、せめて人生の最期ぐらい
は “普通”でありたいと思うのが人情ですよね。





加害者の欲望のまま 罪もない弱者が惨殺されるという不条理ほど
“むごい不条理” はありません。
面識もない犯人に押し入られ 暴行され 無惨に殺されてしまうような
“いわれなき殺人犯罪” は、通り魔殺人・ 小児誘拐殺人などとともに
最も憎むべき “不条理犯罪” です。


そういうことから 「ひとり暮しの女性、お年寄りだけの家、子どもだけで
留守番せざるを得ない家」 などでは 特に用心が必要だと言われます。
なるほど “弱者ほど狙われやすい” という観点において、この考えは
間違っていないと思います。

でも、ちょっと待ってください。

格闘家でも ピストルには敵わないのです。
たとえあなたがプロレスラーで、相手が銃を持っていないような場合でも、
刃物を持った複数犯に襲われたら こちらに勝目はありません。
それが単独犯でも、その危険度は さほど変わらないでしょう。
要するに、狂気を秘めた凶悪非道な犯罪者の前では、少しばかりの腕力
など頼みにならないという点において、すべての人が弱者なのです。

最近の凶悪事件で 真っ先に思い出すのは 「世田谷 一家惨殺事件」
◆詳細(動画)・http://www.police-ch.jp/video/16/001309.php


日本じゅうが震撼したこの事件、その凄惨さは、捜査員も思わず
目をそむけたくなるほど酷いものだったそうです。

事件は、私にとっても 衝撃でした。


自宅のすぐ近くで起こった残虐極まる事件だったこともあり、我々
住民の受けたショックは尋常なものではなかったし、町内会として
も自衛の必要に迫られました。
今でも、その状況は 何ら変わっては いません。
犯人は、今も この東京のどこかを歩いているのです。

ところが、事件当時 「こんなむごい事件が近所で起こるなんて
恐ろしいことだ!  ウチも、今すぐ対策を考えなければ・・・・・・」
と恐怖に震えた人も、月日が過ぎ、いっときの動揺と興奮が収
まると、「これは人様に起きた事であって自分には関係ない」と、
完全に事件前に逆戻りしてしまい、依然 “明日はわが身” という
危険な状況に変わりがないにもかかわらず、結局 なんの対策も
講じない人が ほとんどなんですね。
時間が経ち ノド元を過ぎた今こそ 気を引き締めてかからなけれ
ばならないはずなのに、漠然と “自分の家だけは大丈夫” と思っ
ているのは、実に危ない話です。


 

また、“楽観派”というのでしょうか、「こればっかりは防ぎようが
ないしなあ」 と言う人も 結構います(笑)
要するに、「押し入られたら 運が悪いとあきらめる」 という、
いわゆる運命論的な考え方ですね。
「“徹底抗戦” なんてとんでもない! 話せばなんとかなる」 という
わけです。
でも、このような姿勢も危ういことに変わりはなく、感心できません。

2003年 6月、福岡で発生した「中国人留学生・一家四人惨殺事件」
を 思い出してみてください。
犯人たちは、子どもだけは助けてほしい という父親の必死の命乞いを
せせら笑い、その眼前で平然と子どもを絞め殺しています。
そんな奴らに 言葉で対抗しようとしても無意味です。
初めから戦うことを放棄し 白旗を揚げても相手は容赦してくれません。


 

我々は、多くの事件を“他山の石”として、早急に有効な防犯対策を
講じる必要があります。 
だって皆さん、可愛い子どもを むざむざ殺されるのはイヤでしょう? 
いや、ご両親だって 子どもの眼前で 無残に殺されたくはないはずです。
家族の身を守るためには、まず自分の身を守らなければなりません。
そして、あなた以外に家族を守る人がいない以上、好むと好まざるとに
係わらず、現実から目をそらさず 向き合う必要があるのです。
 

ところでお父さん、散弾銃 は持ってますか?
まさか、素手で戦うつもりじゃないでしょうね(^^)
相手は “モンスター” ですよ。


ちなみに、私の家には散弾銃があります。
と言っても、別に自衛のために求めたものではなく、趣味で「クレー射撃」
という競技をやっているので、以前から所有しているのです。
知人に、集中力を高めるために効果的なスポーツだ と勧められ、始めて
から10年が過ぎました。

近所で起きた凶悪事件の詳細を知った時、防犯・・・・・というより「抗犯」
ということになるのでしょうが、早急に自衛のための準備をしなければ!
と強く思うようになりました。
その思いの中には、いざという時には、不本意ながらも、この武器を使う
局面も 視野に入れておく必要があるな という気持ちもありました。


 

こう言うと、銃の所持を皆さん全員にお奨めしているみたいですが、
話は それほど単純ではありません。


銃を所持すると、所持した瞬間から その人に大きな責任が生じます。
所持するのは比較的簡単ですが、的確な取り扱いを徹底し数十年間
必要十分な管理を続けていくのは、言うほど簡単ではないのです。


また、“所持が簡単” とは言っても、東京などは、なにせ天下の
警視庁ですから、地方よりも許可が下りにくいとも言われています。
家の近くでクマが出るような所なら 話は別でしょうが・・・・・・
(東京でも、奥多摩では たまにクマが出るそうです)。


 

申請が通り、銃を所持した場合、散弾銃の扱いに慣れるために、
日頃から射撃場に通って練習を積む必要があります。
でも、東京には射撃場がありません。
そこで、遠方の射撃場まで出かけていくことになりますが、
その際は二泊程度の小旅行とあいなります。
要するに、大変な “時間”と“手間”と“費用”が かかるのです。
とても とても、ゴルフをやってる余裕などありません。


 

しかもゴルフの場合 生命の危険は まずないですが、散弾銃では
常に暴発事故の危険がつきまといます。
稀にですが、射撃場で、扱いを誤った隣りの人の銃に撃たれて
亡くなったというような事故も 実際に起きています。
家庭内でも、事故が起きない保証はありません。
激しい効能の薬には “強い副作用”があるのです。


 


これまで述べてきたように、毎日の管理が出来ない人、練習が面倒
な人には、散弾銃の所持は とてもお勧めできません。
また、緊急時に冷静沈着な行動をとれない人は、極度の緊張から
誤って暴発させ、家族を傷つけたり、自分の足を撃つ などの事故を
引き起こす恐れがあるので、やはり お勧めはできません。
ですから、適性を含め、銃所持にふさわしい人は限定されてくるでしょう。


 




次の “シミュレーションドラマ” をご覧下さい。

※会場にビデオ映像が映される。(下記は そのプロット)

犯人は右手に持った包丁を愛娘の首に突きつけ、空いた左手を彼女の
か細い体に巻きつけ、力を込めて締め上げる。
「人質」 という言葉さえ知らない8歳の娘・・・・・・その顔は苦痛と恐怖で
ゆがみ、泣くことさえできない。小さな体が小刻みに震えている。
「娘を助けたかったら、早くこの金庫を開けろ!」
男が狂ったように吼えた。
「は、はい! 今 開けます・・・・・・・その前に これ 見てくれないですか?」
父親はそう言いながら、両の手に散弾銃を抱えたまま ゆっくり近づいた。
「何のつもりだ!」
激昂した犯人の形相が ひときわ険しくなる。
「いえ、この銃 差し上げようと思って・・・・・・私が持ってても何だから・・・
・・・それに・・・・・逃げるとき必要でしょ・・・・・・いえいえ、タマは別にして
あるから心配ないですよ・・・・・・ホントですって・・・・・・・よく見てください」
父親は満面の笑みを振りまきながら、ゆっくり近づいていった。
ゆっくりした動作のなかに、犯人に考える余裕を与えない素早さがある。
ニコニコしながら、銃口を犯人の顔面に向けて落ち着いた口調で言った。
「ここ 見てください・・・・・・・ねっ、タマなんか入ってないですから・・・・・・」
そう言い終わるか終わらないうちに、轟音が響いた。
次の瞬間、犯人が崩れ落ちるより早く、父親の右手は、凶器の包丁を
しっかりとつかんでいた。

うーむ ・・・・・・・しーんとなってしまいましたね。
皆さん ア然とした顔をされてますが・・・・・・・。
ちょっと刺激が強過ぎましたか?
それにしても皆さん・・・・犯人の顔、怖いですねェ・・・・あんなのが
家に来たらイヤですねェ・・・・・私だったら逃げちゃうかも(笑)


実はこのドラマ、米国で実際に起きた事件をもとに作ったものです。
ご承知の通り、かの国では “実力”で勝負が決します。
だから、武器のパワーバランスが互角じゃないと勝負にならない。
要するに、一方が銃を持たない場合、必然 持たない方が戦いに
負けるという、明快で冷徹な原理があります。


 

でも、なぜか日本では そうとは限りませんね。
戦争を放棄した日本では、戦う気概自体が風化し、麻痺を起こして
いるのかも知れません。

もちろん、アメリカ的流儀が必ずしも正しいとは思いません。
銃は無闇やたらに撃ってはいけない。
撃たないで済むなら、そのほうがずっといい・・・・・・そう思っています。


 


ところで、“パワーバランス”に鈍感なこの国で、例外的に鋭敏な感覚
を備えた者たちがいます。
犯罪者 及び その予備軍です。
彼らは、発達したその嗅覚で、“危険かそうでないか” を嗅ぎ分けます。
だから間違っても「警視庁に包丁一本で押し入る」なんてことはしないし、
半武装した民家に忍び込むことも回避できるのです。
裏を返せば、犯人が狙う家は “彼らの好む香りを発している” のです。


 


 


そんな彼らの “鋭敏な感覚” をスポイルし、人質を取られるような
状況や “抜き差しならない悲惨な結末” を事前に回避する手だて
があれば、当然 それに越したことはありません。
“悲惨なバトル”になる前に、手を打っておいたほうが ずっとラクだし
安全ですからね。
それについては、後で検討を加えてみます。


「正当防衛」 についても、ひと言ふれておきましょう。
「正当防衛」は、法的に認められている権利ではありますが、日本では、
警察官が職務上危険を感じ、やむを得ず発砲した場合でさえ、すんなり
「正当防衛のお墨付き」 が得られるとは限りません。
我が国における「正当防衛」と「過剰防衛」の線引きは とても
厳しく難しいのです。


 

先ほどのドラマのように、一般人である被害者が “正当防衛”を
行使した場合はどうでしょう。


 

実は これも微妙です。
私見ですが、あなたが 刑事責任を問われる可能性は小さくありません。
警察が あなたに疑念を持つのは避けづらいからです。ふつう、警察は
“映画じゃあるまいし 犯人を一撃で倒すなんて不自然過ぎる”
というふうに考えます。
包丁にあなたの指紋がついていたりしたら、ますますその疑念は
広がっていくでしょうから、散弾銃を用いる時は 必ず “皮手袋”を
着用して下さいね・・・・・・・いや、女性は聞き流してください(笑)
 


 

「犯人の言うなりになっていたら 殺される恐れも十分ありうる」
という意味で言えば、私としては “然るべき時に撃てなければ
銃を所持する意味がない” と考えます。
でも、“然るべき時に撃つ”ためには “強い意志” が求められます。
それが、たとえ罪に問われる結果を招いても、です。
それは、「人任せの気持ちを棄て 自身の信念で行動し 運命を
切り開く覚悟を持つ」 ということなのです。

このように、“銃武装” には 越えるべきハードルが多く、リスクもある。
それらのハードルを乗り越え、リスクに打ち克つ自信のある方にとって、
散弾銃は “徹底抗戦の必須アイテム” として、唯一 “完全な防衛力”
に値する武器となると思います。
でも、そうは言っても、それがムリな方も当然ながらいらっしゃる。
でも、心配には及びません。
他にも有力な方法があります。
そして、それこそが 今日のメインテーマです。

      
 

 

 


 

第二章  あなたを守る灯(ともしび)  

  

「侵入殺人には様々な動機があるにしても、殺される側からみれば 
そんなことはたいして重要ではない。 それより “犯人が なぜここを
狙ったのか。 狙われやすい家には 共通の特徴や弱点があるのか。
あるなら それを教えてほしい。」
皆さんが今一番知りたいことは、この質問に集約されるのでは
ないでしょうか。 


 

公判を傍聴した結果、最も狙われ易いのは 「一戸建」 でした。
次いで 「単身者用ワンルームアパート」、最も狙われにくいのは
「オートロック付きの新しいマンション」 ということが分かりました。
やはり、最近の分譲マンションでは、「オートロック&防犯カメラ」
が常時見張っている場合が多く、そこから足がつくことを侵入犯
が嫌うから、ということでした。
また、性犯罪 (下着泥棒などの「痴漢被害」を含む)に限れば、
圧倒的に “単身者用ワンルーム” が狙われています。

※わが国では、明治中期頃から「男の性犯罪者」を総じて
痴漢 と呼んできたが、なぜか “電車内の性犯罪者に限る”
と思い違いをしている人が 最近増えつつある。
ちなみに、「痴」 は「馬鹿な」、 「漢」 は 「おとこ」の意味。


以上の情報を踏まえ、目的に応じた様々な防犯用品について、
触れておきましょう。


まず 一戸建向けに有効な防犯グッズとして
・窓用防犯ブザー
・センサーライト
・防犯カメラ

の “三点セット” がありますが、これらに関しては、
皆さんのほうが 詳しいかも知れません。
一戸建にお住まいの方は 防犯意識が高いですからね。

ところが、同じ1階でも、アパート、マンションなどの集合住宅に
住んでいる独身者は、 防犯に関して無関心な傾向にあります。
これは危険です。 “危険がいっぱい” です。


1階の、道路から死角になっている部屋は 特に要注意です。
人通りの少ない夕暮れ時には 「空き巣」が多発しています。
今すぐ、ベランダに センサーライト を取り付けて下さい。
窓には 防犯ブザーを取り付け、防犯フィルムも貼っておきましょう。
そして “最後の砦” として、全ての窓の、外から手が届きにくい
サッシの上部に 補助錠 を取り付けておきましょう。

  

でも 「空き巣」と鉢合わせしたらどうします?
そんな時の用心に 携帯電話連動型隠しカメラ というものがあります。
これは、外から自宅室内を「携帯画面」でモニターできる優れものです。
これを設置していた女性が、危うく難を逃れた例が報告されています。
常に室内を確実に見るためには、部屋が明るくなくてはダメですから、
夜はタイマーで 室内灯を点ける ようにして下さい。


車で移動する方は、携帯連動型でなくとも、通常のドアフォンモニターを
車に積んでおけば済みますし、価格のほうも ぐっと手頃です。 つまり、
ワイヤレスドアフォンを(うちそと)逆に取り付ける
というやり方です。  
.

.  

    ◆   ◆   ◆

ところで、就寝中に襲われ、レイプ・強盗被害に遭った女性たち
のほとんどは、犯人の 入念な下見 を受けています。
悪いやつは用心深いのです。

被害者の多くは、コンビニ等で犯人からターゲットに選ばれ、
尾行されて住居を特定されています。
そして、数度の下見の後、夜半 寝込みを襲われているのです。
被害者の中には、不幸にも殺されてしまった人も少なくありません。

ある女性経営者が、自らの体験をこう書いています。 
「私が飼っていたのは、大きな猛犬ではなく、可愛い愛玩犬でした。 
私は、この小さなペットに命を救われたのです。」 


彼女はひとり暮らしで、「ペット犬」 を一匹飼っていました。
彼女は帰宅が遅くなることが多く、愛犬が寂しがらないようにと、室内を
タイマー付きライトで照らせるようにしていたのですが、その灯りのお蔭で
危うく命を救われたことを言っているのです。
もっと具体的に申しましょう。
ある時、彼女の部屋の隣に住む中年の女性が強盗に遭い、絞殺体で
発見されました。 犯人はすぐに逮捕されたのですが、犯人が云うには
「隣りのほうが角部屋で目立ちにくく、そっちに入ろうと日頃から目をつ
けていたが、何度下見しても、その部屋は 夜必ず電気が点いていて、
ひとり暮らしでないと思い やめた」 という供述が得られたのです。
この事例、防犯における重要なヒントになりますね。


ところで、まだ 室内に「タイマー付きライト」をつけていない方のために
耳よりな話をひとつ。
ただ窓辺に灯りをひとつ点けておくだけで 大きな防犯効果が望めると
いう超リーズナブルな、タダであなたの命を守る 作戦です。

ひとり暮しの皆さん、外出する時、電気をつけたまま外出する人は
ほとんどいないと思いますが、 たとえば こう訊かれたらどうします?

室内灯を点けて外出すれば あなたの命を守れます
が…試しに 点けて出ませんか?

外出時に、ただ20ワットの蛍光灯をひとつ点けたまま外出するように
すれば、それでいいのです。
電気代は1日1~2円で済むんですから、安いもんですね。
できれば、寝る時も点けたまま寝て頂くとベストなんですが。

■殺されないための7則

1.表札に 「男の名前」 を掲げる。
「鬼頭英雄」みたいな 怖そうなヤツがいいよ


2.コンビニで顔を見られているような気がしたら尾行に注意!


3.自室に入る時、後ろから猛然と押し込んでくるヤツがいるので  
周囲をよく見てから 家に入ろう! (特に自分が酔っている時)


4.常に電気をつけておき、
帰宅時に 急に明るくしない!  


5.窓側に電気スタンドなどを置き、点灯したまま寝ること。


6.隣人(特に男)に
ひとり暮し と悟られるな!


7、世に はしご・脚立 がある限り、2階でも安心するな!


それでは皆さん、侵入犯には くれぐれもご用心下さい。
夏は怖い季節ですから。

とにかく、「タイマー付きライト」は有効です。
その威力は侮れませんよ。  

■警察庁統計資料■ 住宅への不正侵入犯罪は、ここ10年で3倍以上に増加しており、戸建住宅の場合、62%が窓から侵入されています。    侵入犯本人への調査では、二階建ての住宅の場合90%が一階から侵入し、破りやすい窓として 半数が「掃き出し窓」を挙げています。一般住民の防犯意識についてのアンケートでは、70%の方が空き巣や強盗に不安を感じており、ドアや窓の補助錠・防犯錠のニーズは高いものの、約半数は対策をしていないのが現状です。 

■よくある質問■
 

「防犯目的でインターフォンを設置したら、ピンポンダッシュされて困っている」

確かに、映像がなく声しか聞こえない昔のタイプのインターフォンでは、しばしば こういう悪戯がありました。外に出てみると誰もいない。でも、これは “外の様子が見えないから” ・・・・・ですね。 そのため、最新のものには、室内から外をモニターする機能以外に、「録画機能」 がついているものがあります。今 門扉に設置されているインターフォンに録画機能がない場合、門の横あたりに、録画機能付き防犯カメラ を追加設置されるといいでしょう。 “ピンポンした犯人”を特定できるのはもちろん、防犯効果も飛躍的にアップするはずです。 今後家を建てる方は、道路に面して まず駐車場を、その奥に門を作り、そこにインターフォンを設置すれば “ピンポンダッシュ” は防げます。一番まずいのは、ピンポンダッシュを嫌がるあまり、門にあったインターフォンを門からはずし、玄関横に移す人がいることです。これは、防犯上極めて危険です。

◆散弾銃関連サイト
http://www1.ocn.ne.jp/~wes/tishiki.htm
http://www6.ocn.ne.jp/~nankin/newgun.htm
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/banboo/sulag.html


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Hiji-kata

◆たねさん いらっしゃい!
ご訪問 ありがとう。
長い文章につきあって頂き 感謝します。
by Hiji-kata (2007-08-13 02:23) 

ハジナレフ

今回も深い話ですね。
裁判の傍聴までされて肥やしにされているんですね。
「本物を知る」は重要ですね。

先日北野武監督が自分の授業の生徒に5万円のディナーに連れて行って、ウェイターや店内の様子を観察させたとか。
「本とはヤクザも見せたい」と言ってらしたようです。

今もそう思いますが事故死や他人から殺されるニュースを見ると「そのタイミングのために生きてきた」と思えてしまい、とても嫌な気持ちになります。
私の隣人の扉を閉める音がうるさくて、密接する隣家のない平屋など探してみましたが、方々から「あぶないからやめときな」と言っていただきました。

会社の先輩などは
「今7万円の部屋でしょ?二人で(私は一人ですが)7万円の生活レベルの人たちが隣なんだからしょうがない訳だよ。高い部屋に住めばそれだけの生活レベルの人が隣にいるはずで部屋もそれだけの機能が備わってくるよ」
だから部屋にお金をケチってはいけないというお話でした。

イラク系ドイツ人の御友人の言葉ははっとしますね。
ただ日本は肉体的攻撃よりも精神的攻撃がスルドク嫌な感じな国になりつつあると感じます。
目下痴漢が社会の一番の問題というのはあながち間違っておらず、またそれだけに暮らしにくい国になっていると思います。

いたずらに法律をおもしろおかしく解説する番組が多いのも「すぐ訴える社会」を助長していると思うのですが・・・?

なんだかまとまりに欠けるコメントですみません・・・。
by ハジナレフ (2007-09-22 21:43) 

Hiji-kata

未完の記事を熟読頂き、感謝します。

裁判所は、我々一般人にとって、犯罪者と被害者の
生の声を聞ける唯一の施設ですね。
ですから、単なる 「多様な犯罪を吟味する法学教室」
というにとどまらず、人間が どれほど “罪深い生き物”
であるかを如実に教えてくれる生物生態学の側面と、
人間の深淵を追究する文学講義の側面をも併せ持つ
“人間研究の総合大学” と言えるかも知れません。

ところで、「精神的攻撃」 とは “隣人騒音” も含まれて
いるのでしょうね。
でも、こればっかりは 「逃げるが勝ち」ですよ。
「世界は広い。だから きっと自分にピッタリの部屋がある」
そう信じて “自分のユートピア”を探すほうが、互いに憎しみ
合うより はるかに賢明です。
そして、そんな快適な住居を探し当てたら、これまで以上に
傑作を生み出して下さい。 応援してます(^^)
by Hiji-kata (2007-09-23 17:29) 

Hiji-kata

価格 com利用者は、未知の小規模ショップに個人情報を登録するリスク
などを慎重に考慮し、最後には amazonのような大手ショップを選んでいる。
最安価でなくても 十分妥協できる値付けがされているし、店舗規模が大き
いため、amazon内で 多くの商品を比較検討できるのも強み。
規模が大きければ、そのサイト内で目的の商品と遭遇する機会も増えるし
長時間回遊する人ほど 購買意欲も高い。
では中小ショップは、どうやって大手に対抗しているのか。
最安を追求するPCボンバーは、「最安が基本だが、加えて価格.comの
『ショップ評価』を 99%以上に維持するよう努力している」という。
「ショップ評価」とは、客が 「注文方法、対応、納期、梱包、再利用希望」の
5点について 「はい」「いいえ」で投票するもの。
価格以外の店舗評価要素を数値化したものだが、「価格以外に サービスの
質も重要」、「安値競争だけでは消耗を招くだけ。総合的に顧客を満足させ
られなければ、ショップ運営は難しい」ということらしい。 (サンケイ・ビズ)
by Hiji-kata (2012-07-24 17:04) 

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